こちらを振り返らないでくれ : 舞台『ソーホー・シンダーズ』と、1周年によせて

林翔太くん、あなたが宇宙Sixから抜けて、もうすぐ1年が経ちますね。最近少しばかり心境の変化があったりしたので、あのときの記事を読み返して、どんな気持ちだったのか思い出していました。

koguuu8.hatenadiary.jp
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いい機会なので、今のわたしがはやしくんに対して思うことを残しておきます。




わたしには、この先はやしくんがどんなにすばらしい作品に出て、成功して、心からの祝福を贈る時が来たとしても、言いたくない言葉があります。"グループを抜けてでも、お芝居を頑張ってきて良かったね"。わたしには、どうしても言えない。
この期に及んでグループを手放したことを否定したり、駄々をこねたりしたい訳では決してありません。持ち前のしなやかな強かさを武器に、単身外の世界に飛び込んで頑張る姿は、あなたらしくてとても素敵です。ただただわたしは、江田くんと亮太くんと並んで涼しい笑顔をうかべて、グループの仲間と踊るはやしくんのことが一番好きだった。墓場と呼ばれた場所であろうと、そこでキラキラしているはやしくんの姿が他の何より好きだった。それだけのことなのです。


この1年、複雑な思いだった。わたしの一番好きな人は、わたしの一番好きな場所から離れていった。わたしの一番好きな場所には、わたしの一番好きな人の姿がない。はやしくんと宇宙Six、どちらの現場に行っても、何となく居場所がない、という感覚が付きまとう。
はやしくん脱退後初の主演舞台で、期待していたほど心が動かなかったのも辛かった。受け入れたフリして、まだ全然アイドル林翔太を諦められてない自分に気付いてしまって。コンサートのステージに立つはやしくんを愛するのと同じ熱量で、劇場の板の上に立つはやしくんを愛する自信がない自分に気付いてしまって。
宇宙がバックに付くコンサートに行っても、ぼんやりとした後ろめたさがなかなか拭えなかった。すっごく楽しいのに、ふとした瞬間居ない人の姿を無意識に探してしまう自分に気付いてしまって。大好きなひとたちのはずなのに、どこか空虚な気持ちで眺めているのに気付いてしまって。直接誰かに何か言われたりされたりしたことなんてないよ、勝手にすこし居心地の悪さを感じてしまっていただけ。
個人的に大事な時期だったのもあって、一瞬ジャニーズの現場に足を運ぶ機会が減ったりもしつつ、プレゾンとか、クリエとか、湾岸とか*1They武道だつたはやしくん、宇宙Sixだったはやしくんがくれたキラキラした思い出を抱きしめて回顧することが増えていた。

そんな中でぶち当たった1月の例の騒動はちょっとだけ、わたしのぼんやりとした視界を明瞭にした。散々書いたのでここでは掘り返さないけど、本当に色々考えた。宇宙Sixというグループとその立ち位置のこと、そこに飛び込んできてくれたはらめぐのこと。そして、そこから出ていったはやしくんのこと。ジャニーズJr.とは。デビューとは。自担であるはやしくんにはもう関係のない人事だったのに、言いたいことが山ほど出てきた。この時期、考えたことを言語化する上では、意識的に「自担」、という言葉を使ってみたりもしました。はやしくんに対してその言葉を当てはめる感触を、あらためて確かめるように。
分かったことは、はやしくんの姿がなかったとしても、わたしはかつてのThey武道の、そして宇宙Sixのいる場所からは離れられない、離れたくないということだった。こんな出来事があってやっと分かったなんて皮肉だけど、わたしは大好きな場所で踊り続けるひとたちに、どうしようもなく執着している。

そして3月。舞台『ソーホー・シンダーズ』は、正直個人的にはどういう気持ちで観に行ったら良いのか分からなくて、でもまあ話が面白そうだから、と思ってチケットを確保しておいた現場だった。ところが初日から林担さんのかなりルンルンな感想が目に入ってきて、実際観てみると完成度が高くて、好きな台詞とかも色々あるし、歌もぜんぶ良くて、確かに自担がこれ主演してたらそりゃあルンルンしてしまうわ、と思った(どういう立場よ)。それはもう、はやしくんが出てるとか出てないとか以前に文句無しに面白い作品だったんだけど、わたしにとっての『ソーホー・シンダーズ』は、はやしくんが見ているもの、やりたいこと、をはっきりと形にして示されたような気分にさせられる舞台だった。はやしくんは前に舞台上で見せてくれた姿よりずっと地に足が付いているように見えたし、ソロ曲の慟哭は胸に迫るものがあった。そしてロビーのいじらしさは一級品で。
幕が下りた*2後にわたしが思ったことは、「ああよかった、ホッとした」だった。なんだか、安心して違う道を歩ける、っていうような、そういう感覚があった。そうか、あなたは1人でこの道を歩いて行きたいんだね、分かったよ、と腑に落ちたような感じ。
なんだかね、これでやっと、この1年のやり場のない気持ちに一区切りついたような気がしているんです。わたしはどうしても"アイドルの林翔太くん"が好きだった。その気持ちはやっぱり1年経っても変わらなかったしこれからも捨てられない。それでも、はやしくんが選んだのはそっちなんだね。そっちで、頑張りたいんだね。



はやしくん。あなたへの願いはこれだけです。
こちらのことなんて振り返らなくていいから、どうかがむしゃらに頑張って頑張って、かっこよくなって欲しい。
はやしくん、まだまだこれからなんだと思う。舞台のお仕事は途切れず貰えて、真摯に勉強して、頑張ってるけど。経験とか、存在感とか、そういうの、まだまだだ。わたしはこれからも、江田くんや亮太くんのいるこの界隈に身を置くけれど。グループを抜けたことを「良かった」なんて絶対に言わないけれど。それでもつま先立ちして、どうにか視界を確保して、はやしくんのことを眺め続けると思う。これは、意地みたいなものです。わたしが一番好きだった"アイドルの林翔太くん"を選ばなかったはやしくんが、自ら退路を絶ってまで選んだ道で、たくさんの人に見つけてもらって、めちゃめちゃにかっこよくなってくれるのを見届けたいんです、どうしても。
だから、今はとにかく、前を向いていて。ひたすらに進んでいって。その後ろ姿が、わたしの希望です。

*1:湾岸はちょっと、今になってみれば脱退への片鱗が見えていたので切ない思い出でもあるけどね…

*2:物理的には下りてなかったけど